保育園見学の電話から質問まで完全マニュアル

保育園選びはどのようなポイントを重視したらよいのでしょうか。選び方の基準がわからない人は多いと思います。そこで重視されているのが保活です。保活とは保育園を探す活動のことです。その活動の1つとして、近年は保育園の見学をする人が増えました。2019年のデータでは、実際に保活をした母親の約86%が保育園見学をしたと示しています。以下では、注目されている保育園見学について詳しく説明します。

目次

保育園見学の注意点

保育園見学は、保育園を実際に選択する際に重要な基準となるものです。しかし、見ているのは保護者側だけではありません。見学者の様子を保育園側も見ています。そのため、最低限のマナーを守った上で保育園見学をするようにしましょう。例えば、身だしなみや言葉づかいなどです。保育園見学のルールについては、直接に保育園へ連絡をすることで確認できます。また、保育園を選ぶときは、複数の園を見学することになります。その際に、見学した園の情報を忘れてしまわないように、感じた印象や気になった点は必ずメモしておくようにしましょう。

子どもにとって最適な保育園を判断する方法として、自分で書き残した情報を比較するのはとても有効です。

保育園見学はいつから

保育園見学の時期について、明確な取り決めはありません。しかし、多くの保育園では、卒園の準備にとりかかる10月から11月頃から、重点的に見学会を設けています。見学会の参加には、事前予約が必要な場合もあるので、ホームページなどで情報をチェックしておきましょう。特に、無認可保育園では園児の入れ替わりがおこりやすいため、時期を決めずに見学会が行われています。そのため、希望する地域の保育園の情報を頻繁に確認することが大切です。

保活を考えるタイミング

保活をいつから考え始めればよいかは、保育園のスケジュールを参考にして決めるとよいでしょう。認可保育園への4月入園を検討しているなら、入園希望年度の1年前から保活を始めるのがおすすめです。多くの認可保育園では5月から7月に、保育園の情報提供を開始します。スムーズに情報の精査をするためには、5月から7月より少し前から情報を集め始めるとよいでしょう。また、保活を開始する時期は、あくまで入園時期をベースに考えるべきです。例えば、6月が出産時期で、出産の翌年の4月に入園を希望しているなら、出産前から保活を始めた方がよいでしょう。

見学はいつから行く?

早い時期から保活を始めたい人は5月頃から保育園見学を始めるとよいでしょう。この時期になると、4月に入園した子どもたちが保育園に慣れ、のびのびと生活ができるようになっているからです。しかし、通年で保育園見学を許可している園でない限り、見学会の多くは10月ごろから開始します。見学のスケジュールは、電話で保育園に確認をとるとよいでしょう。

新設の認可保育園を検討している場合や、立地条件などの都合で、通園させたい保育園が決まっている場合には、募集状況に応じて10月ごろから見学するとよいでしょう。なぜなら、7月から10月にかけて、認可保育園の新設情報や、募集状況などが明らかになってくるからです。希望の入園時期があるのなら、その時までに保育園見学を済ませなければなりません。それには、希望入園時期からさかのぼって考え、見学時期を考慮する必要があります。おおよその目安では、入園時期の半年前ほどが見学時期に最適です。

見学前に決めること

保育園が地域に1つしかない場合はともかく、複数の保育園がある地域では、見学する保育園を選ばなければなりません。そのためには、決めて置くべき事柄があります。まずは、希望する預かり先が認可保育園と認可外保育園のどちらであるかです。認可保育園は国の基準を満たした保育園で、認可外保育園はそれ以外の保育園です。認可保育園は、国から運営費などが補助されるため、認可外保育園よりも保育料が安くなります。また、原則生後57日後以降の子どもは預かり可能です。

なお、育児休暇が終了する時期にあたる満1歳児クラスの預かりは、倍率が高くなりやすい傾向があります。競争を避け、スムーズに保育園に入園するために、0歳児の預かりに応募する人も少なくありません。次に、希望の預かり時間を決めておきましょう。預かり時間は保護者の就労時間によって上限が決まります。1週間に30時間未満の就労時間なら預かり時間は1日8時間までです。1週間に30時間以上の労働時間なら、1日11時間まで預かってもらえます。

希望に合致する保育園が複数ある場合には、3つほどに絞り込むことが大切です。できる限り、多くの保育園を見て周りたいと思うかもしれません。しかし、保育園の見学では、小さい子どもを連れていく場合がほとんどです。何カ所も見学するのは、大きな負担になります。

近くの保育園の調べ方

希望するエリアの保育園を探す手法として、最も手早いのはインターネット検索でしょう。しかし、保育園選びは、その地域や家庭環境にあった制度を把握することも大切です。そのため、保育園を探すときには、市区町村の役所にある育児課などの保育担当窓口に相談するのがおすすめです。専門の相談員が用意されている役所もあります。また、多くの市区町村のホームページには、地域にある保育園の一覧が公開されています。相談が難しいのであれば、まずは役所発行の保育園入園に関する冊子などを参考に、情報集めをするのが良いでしょう。

保育園リストを作る

保育園見学に行くまえに、希望する保育園のリストを作りましょう。リストアップの条件で重視したいのは、通園方法です。どのような交通手段で子どもを送り迎えするかを検討します。交通手段によって検討できる保育園の範囲は変わります。候補先はなるべく広く考えるとよいでしょう。住居の近くで保育園が見つからない場合には、職場の近くで探す人も少なくありません。この他にも、子どもの受け入れ月齢、開閉園時間、延長保育の有無などを条件にして、見学するべき保育園をピックアップしましょう。

質問リストを考える

見学を実際にするまでに、保育園に対しての質問をリストアップしておくことは、大切な準備です。リストアップは「園児の生活」「保護者の参加」「規定外の費用」の3項目を重視するとよいでしょう。「園児の生活」では、保育園での食事や入園前に準備しておくものなどについて、質問をまとめておきます。特に、トイレトレーニングを始める時期については、必ず質問のリストに加えておくべきです。同時に、使っているオムツの種類や処理方法も確認しておきましょう。くわえて、保育園の教育方針やしつけ方法の詳細も、リストアップすべき質問内容です。

「保護者の参加」が必要な行事がどの程度あるのかは重要な事項です。保育園に預けるようになったものの、予定していたよりも行事が多く、たくさん仕事を休まなければならなかったというケースは少なくありません。また、連絡方法や緊急時の子どもの引取方法は必須の質問といえるでしょう。特に、近頃は感染症の予防対策が重視されるようになっています。子どもの体調変化が起きたときの対処や園内での予防対策の方法は、詳しく話を聞くべきポイントです。

保育園での生活には「規定外の費用」が発生する場合があります。例えば幼児教室などを併設していると、参加するには別途費用が必要になります。サービスの種類とそれぞれの費用は、必ず質問しておくべき事項といえるでしょう。

そもそも見学は必要か?

保育園見学は絶対にしなければいけないものではありません。特に、認可保育園の場合には、見学が入園の条件になっているものはありません。ですが、保育園は子どもが多くの時間を過ごす場所です。子どもたちは保育園で多くの物事を学び、人格が形成されます。保育園の教育方針や雰囲気などは、子どもに大きな影響を与えるといえるでしょう。確かに、ホームページやパンフレットからでも情報は得られます。しかし、それらの情報と実際に見て感じる情報とは同じではありません。

なお、認可外保育園の場合には、見学が申込の条件となっている場合があります。なかには、申込用紙が見学者のみに配られるケースや、見学で園長や保育士が説明した教育方針を、保護者に質問する場合もあります。このような保育園に入園希望なら、例外的に保育園見学が必須条件になるので、注意しましょう。

見学対応のルールは園ごとに全然違う

見学に関するルールは、保育園ごとに定められています。例えば、申込方法がメールに限られていたり、車での来園を禁止していたりなどです。特に近年では、コロナウィルスやノロウィルスなどの感染症の影響が、見学対応にも現れています。見学人数や時間に制限が設けられることも少なくありません。見学申込み時に、保育園の見学対応ルールについて尋ねておくと、スムーズな保育園見学ができます。もしも、見学中にルールの判断に困ることが起きたときは、自分で判断するのではなく、保育園に確認をとるようにしましょう。

保育園見学の電話注意点

見学の予約をいれるために電話をするときは、まず自分のスケジュールをチェックしておきましょう。それだけで、スムーズに日程を決定できます。夫婦で見学をしようと考えているなら、配偶者の予定も確認しておくとよいでしょう。手元にメモ用紙と筆記用具を用意しておくと、問い合わせした内容を記録できるので便利です。

電話する時間帯

保育園に電話をかけるときは、時間帯に注意が必要です。保育園では、登園や朝の会がある10時以前と、保育士が減る17時以降は、人手が足りず忙しい時間帯です。また、11時半から13時の昼食時も忙しくなります。電話をかけるときは、これらの時間帯は避けるようにしましょう。保育園に余裕が生まれるのは、昼食後のお昼寝の時間です。13時半から14時半までの間に電話をいれるのがおすすめです。

電話で話すこと

電話で話すべき内容は、簡潔に伝えることが大切です。電話をかける時間帯は、保育園の業務時間です。相手は仕事をする手を止めて、電話対応していることを忘れてはいけません。自分から電話で話すべき内容は、自分の名前、保育園を見学したい旨と希望の日時、訪問する人数です。子どもを連れて見学したい場合には、その旨も話しておくようにしましょう。なお、電話を切る前には、聞いた内容を復唱して、正しいかどうかを確認することが大切です。

電話の会話例

保育園に電話を入れる場合には、次の会話例を参考にするとよいでしょう。担当者が不在の場合には折返し連絡をお願いして、電話番号と名前を伝えておくようにしましょう。
「こちら○○保育園です」
「はじめまして。◎◎と申します。入園を検討しているので、園内を見学したいのですが、よろしいでしょうか」
「見学の予約ですね。お子様の年齢はおいくつですか」
「生後6カ月です」
「6カ月ですか。4月入園を予定しているなら、1歳児クラスですね。見学の希望日はございますか」
「◎月○日に、子どもと2人でお願いします」
「承知いたしました。では◎月○日の10時ごろに当園までお越しください。当日は園内での履物をお持ちください」
「では、◎月○日の10時に、履物を持ってうかがいます」
「お待ちしております」
「よろしくお願いいたします」

保育園見学時の注意点

保育園見学をする際には、必ず日時を約束してから保育園を訪れるようにしましょう。その際には、時間は厳守しなければなりません。保育園側からいつ訪問してもよいと言われたときは、朝の登園時刻や昼食時は避け、なるべく保育士の仕事が少ない時間帯に出向くとよいでしょう。次に、持参物には注意してください。保育所は、園児が裸足で生活をしていることが多いです。そのため、床は清浄に保たれていなければなりません。見学者もその状態を維持できるように配慮すべきです。靴下や靴は衛生的なものを選ぶようにしましょう。室内履を用意しておくことも大切です。

赤ちゃんを連れていってもいいのか

保育園見学は、基本的に赤ちゃん連れでも大丈夫です。ただし、ほとんどの保育園ではベビーカーを使って園内の移動はできません。ベビーカー置き場が確保できるとも限りません。保育園見学する際には、園内での移動や安全性を考慮して、抱っこ紐を使うとよいでしょう。赤ちゃんがぐずっても対処できるように、お気に入りのおもちゃや、飲み物を持参するのもよい方法です。

見学時の服装

服装はジャージや家着姿はおすすめしません。家庭内での教育状況が心配されてしまうからです。ですが、スーツまでは必要ありません。他人が見ておかしくない服装で、華美に過ぎない、清潔感のあるものを選ぶようにしましょう。また、保育園では子どもの安全性に配慮して、子どもがけがをしてしまう恐れのある貴金属や、ひっかかりやすい服装を着ていると、見学を断られてしまう場合があります。服装が心配な場合には、事前に保育園に確認をとっておくようにしましょう。

見学の当日に保育園から指定された持ち物や服装がある場合には、忘れずに持参してください。スリッパや上履きなどが、十分な数準備されていない保育園もあるからです。見学と同時に、保育園での生活を保護者に体感してもらうことを企画している園では、手袋や帽子、エプロンなどの準備が求められることもあります。特に指定がない場合でも、保育園の様子や質問をメモできるように、筆記用具は用意しておきましょう。保育園では、書類やお知らせの用紙をもらうことがよくあります。それらが入るサイズの書類入れやカバンを持っていくと便利です。

新型コロナウィルス感染症予防対策

新型コロナウィルスの流行にともなって、保育園ではそれぞれに感染症予防対策がとられています。安心して子どもを預けられる環境を維持するためにも、保育園見学の際には、保育園が設定するルールに従うようにしましょう。感染症対策としては、来園する人のマスク着用と手のアルコール消毒が一般的になっています。検温や健康チェックが行われることも少なくありません。見学当日に体調が優れない場合は、保育園に連絡し、訪園は控えるようにしましょう。この他にも、見学の人数や、施設案内の時間を制限している場合があります。どのような感染症対策を取っているかは、見学に行く保育園のホームページやパンフレットなどで確認しておきましょう。

見学のポイントとリスト

保育園を見学する際には、見学する保育園のリストと、見学先での質問をまとめたリストの2つを準備しておきましょう。これらが用意してあると、見学先で質問漏れがなくなり、見学した保育園を比較検討しやすくなります。見学するポイントとしては、まず園児の様子をチェックすることが大切です。先生が信頼されている園では、子どもがのびのびと遊び、元気にあいさつしてくれます。

子どもの様子の次は、先生の雰囲気を見てみましょう。子どものしかり方や注意の方法は、働く先生の雰囲気をよく表すポイントです。園児と先生の2点を調べた後は、施設の充実度をチェックしましょう。遊具は十分に配置されており安全性に注意されているか、トイレや給食室などの清潔感は十分なのか、園内の整理整頓や掃除は行き届いているかなどが、チェックするべきポイントです。

なお、運動会やお遊戯会の練習をしている時期は、保育士の時間的余裕がつかないことや、普段とカリキュラムが違うことを理由に、見学が断られる場合があります。行事当日も、基本的には保護者や親族のみが見学できる保育園が多いので、見学できません。どうしてもその時期に保育園見学がしたい場合には、その理由を伝えて、保育園の方から許可をもらうようにしましょう。

保育園見学は選択の決め手

保育園見学の注意点やポイントについて紹介をしました。保育園見学は、保育園を選ぶうえでの決め手になる情報といえます。保育園を実際に見るだけでなく、比較することで、最適な保育園が選択できるからです。保育園見学は手間も時間もかかる大変な作業です。しかし、後になって後悔しないように、しっかりと自分の目で見て判断するようにしましょう。

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